HSS/HSPコラム

TOPHSS/HSPコラムHSS型HSPと、発達障害と。

2021.06.21

生き方

HSS型HSPと、発達障害と。

 

あなたは、「自分は発達障害かもしれない」と思ったことはありませんか?

わたしはあります。

そして、多くのHSS型HSPが、「自分もそう思ったことがある」と証言なさっています。

その理由ははっきりしています。

ことあるごとに「やはり自分はふつうの人とは違うなぁ」と感じさせられてきたからです。

 

HSS型HSPは、発達障害の概念が広まる前から、「自分はちょっと人と違う」と感じています。

だからといって、社会になじめていないわけでもない。

頑張れば普通と同じようにふるまうことだってできる。

だから、

もしかしたら自分の感じ方、受け取り方が違っているのかもしれない。

と、疑っていたのではないでしょうか。

 

自分の感じ方がおかしいのか、

それとも、新たな概念に該当しているのか?

・・・そもそも自分は、どんな人間なのか?

それが知りたい。

そう強く思われるのは、

HSS型HSPがとても知りたがり屋だから、です。

 

 

アーロン先生が、2010年の論文で、こんな風にHSS型のことを説明されています。


強い刺激を求める高敏感者(high sensation seekers)は、正確にいうと、新奇性を好むのであって、危険を好むわけではない

(They may like novelty, but they do not like high risks or shocks., Aron, 2010, p.15)。

 

自分についての情報が欲しいのもHSS型なのです。

自分についてとても知りたい。でも、誰も教えてくれない。

誰もこの特性について詳しく知らなかったから、誰に聞いてもわからない。

だから、「発達障害」という概念が出てきたら、「それかもしれない」と思うのは当然ですよね。

それで照らし合わせてみたら少しかぶる。

そして「発達障害かもしれない」と思うのだと思います。

 

※※※

発達障害にはADHD(注意欠如多動性障害)やASD (自閉症スペクトラム障害)、SLD(特異的学習障害)などがありますが、

そのどれもの特性が、個々人で濃淡を持っていますし組み合わさりかたもさまざまです。

発達障害と診断されて治療の対象になるのは、こうした傾向が強く出すぎて、生活が立ち行かなくなった人に限られます。

 

 

 

さてそれを検証するのに引用させていただいたのは、
「大人の発達障害」を疑ったら試したい20のチェックリスト

 

 

【A】ASD(自閉症スペクトラム障害)チェックリスト
・何かをするときは一人でやるほうがいい
・同じやり方を何度も繰り返し用いることが好き
・何かを想像するとき、イメージを簡単に思い浮かべることができる
・自分では丁寧に話したつもりでも、話し方が失礼だと周囲の人に言われることがある
・他のことが全く気にならなくなるくらい、何かに没頭してしまうことがある
・他の人が気がつかないような小さな物音に気がつくことがある
・車のナンバーや時刻表の数字など、特に意味のない情報に注目することがある
・相手の顔を見てもその人が考えていることや感じていることがわからない
・あることを、他の人がどのように感じるかを想像するのが苦手
・他の人の考え(意図)を理解することは苦手

 

 

【B】ADHD(注意欠如多動性障害)チェックリスト
・物事を行うにあたって、難所は乗り越えたのに詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことがよくある
・計画性を要する作業を行う際に、作業を順序立てるのが困難だったことがよくある
・約束や、しなければならない用事を忘れたことがよくある
・じっくり考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりすることがよくある
・長時間座っていなければならないときに、手足をそわそわと動かしたり、もぞもぞしたりすることがよくある
・まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせずにいられなくなることがよくある
・つまらない、あるいは難しい仕事をする際に、不注意な間違いをすることがよくある
・直接話しかけられているにもかかわらず、話に注意を払うことが困難なことがよくある
・家や職場に物を置き忘れたり、物をどこに置いたかわからなくなって探すのに苦労したことがよくある
・外からの刺激や雑音で気が散ってしまうことがよくある

 

わたしは、両方にまたがってチェックが付きました。

ですが、日常生活に支障はなく(時々悲しくなったりはしますが)、

その傾向を持っているからと言って困ってはいません。

その場合は、自助努力でどうにかしていくしかない。

これまで通りに暮らせばよいと言うことです。

 

 

まず【A】ASDのチェックリストと、HSS型HSPの合致率についてみてみたいと思います。

(比較サンプルは、セッションでお会いしたHSS型HSPの皆様の特性をベースにコメントしております。)

  

①何かをするときは一人でやるほうがいい

   →HSS型HSPとしては、この設問は答えがわかれるところです。

    なぜならば、「何をするか」で異なるから。

    自分が一人でやりたいことは人によるので(ここにトラウマやマイルールが絡んできます)

    この設問には、HSS型HSPは答えが出せないと思います。


②同じやり方を何度も繰り返し用いることが好き

   →HSS型HSPは、同じやり方がきらいなのでこれは「×」

 

③何かを想像するとき、イメージを簡単に思い浮かべることができる

   →「○」自覚のあるなしで回答は変わると思います。

    が、どのHSS型HSPも、想像、イメージは得意なので、潜在的には全員「○」。

 

④自分では丁寧に話したつもりでも、話し方が失礼だと周囲の人に言われることがある

   →これは痛い所を突かれています(笑)。

    かなりあると思います。

    HSS型HSPの皆さんは、この痛い記憶があるが故に、

   「人に失礼にならないように」と、

    人への気遣いが過度になりすぎて緊張したり人間関係が怖くなったりしてしまうので。

    なので、この設問は「○」かな。(私も気を付けていますが、ときどきやらかします)


⑤他のことが全く気にならなくなるくらい、何かに没頭してしまうことがある
→「○」

    フロー状態にしょっちゅう入り込む方も多いのですが、気を散らしすぎると感じている方もいらっしゃっいます。

    集中している状態でも誰かの視線を感じ取ってしまいますし、呼びかけられることに「うるさい!」とイライラすることもあるのです。

    この差はおそらく、自己観察の経験の差だと思います。

    あまり自己観察をしたことがないHSS型HSPであれば、「気が散っている」と思っていらっしゃるということです。

 

⑥他の人が気がつかないような小さな物音に気がつくことがある

   →「○」

     これは、HSPの特性の4つの要因の中に組み込まれています。

     4つの要因とは、「D」「O」「E」「S」

          D:深く考えてから行動

          O:刺激に敏感で疲れやすい 

          E:人の気持ちに振り回されやすい、人の気持ちに共感しやすい

          S:些細な刺激も察知する

     で、この設問は、S(Sensitivity to subtleties)に該当しますので完全に「○」。


⑦車のナンバーや時刻表の数字など、特に意味のない情報に注目することがある

   →「×」

     おそらく、五感の情報には入るけれど、それを重要とみなすためのフィルターにはひっかからないと思います。

     HSS型HSPが注目する情報は自分にとって意味があるものに限られるためです。


⑧相手の顔を見てもその人が考えていることや感じていることがわからない
→「×」

     これも、DOESの中の、Eに該当しないので、「×」です。

 

⑨あることを、他の人がどのように感じるかを想像するのが苦手

   →「×」

     これがまさに、HSS型HSPとASDの最大の違いだと思われます。

     他人がどう感じ取るかを「想像」するまでもなく「わかってしまう」のがHSPで、

     努力を要するものではないというところが、この設問にどう答えたらよいのか迷うとは思います。

 

⑩他の人の考え(意図)を理解することは苦手 

   →「×」

  

ということで、HSS型HSPがASDチェックをしたとき、10点中4~5点になると思われます。

 

 

続いて【B】ADHD(注意欠如多動性障害)チェックリストをみてみます。


①物事を行うにあたって、難所は乗り越えたのに詰めが甘くて仕上げるのが困難だったことがよくある
→詰めが甘いっていうのは、これはHSS型HSPが自戒するときに言う言葉ですよね。。。 

    でも、これは、HSS型HSPの場合は 

   「予測が速い」+「予測が脳内で現実化する」→「飽きる」

      という理由が大きいように考えています。

    ですが、このセルフチェックテストの文言だけで判断するならばこれは「○」。

     HSS型HSPの9割がここは「○」だと思います。


②計画性を要する作業を行う際に、作業を順序立てるのが困難だったことがよくある

   →半分くらいのHSS型HSPは「○」をつけると思います。

    飛躍するのです。 イメージが飛躍する。

      なのでスモールステップでプランするということが苦手なHSS型HSPも存在します。

      ですがイメージが飛躍するということを自覚し、

            自らを律しようと努力するタイプのHSS型HSPが半分存在しますので、

      そのタイプの方たちは計画性を学習しているのです。

      そのため、HSS型HSPの半分はこれに「×」をつけると思われます。

 

③約束や、しなければならない用事を忘れたことがよくある 

   →7割くらいは「○」をつけると思います。 

    この約束忘れ、用事忘れは、HSS型HSPの場合、

    「没頭」によって起こる場合と、

    感情を扱いきれずに凹んだり自分を責めたりしている時間が長いため、

    くよくよしているために用事に気が向かないという「気分下がり」によって起こる場合の2つが考えられます。

      

④じっくり考える必要のある課題に取り掛かるのを避けたり、遅らせたりすることがよくある 

    →「よくある」というところに、抵抗あると思います。

     じっくり考えるのが嫌いなわけじゃない。

     でも、他に考える事ややるべきことがあるので、じっくり考えることを避けるというよりも、物理的に後にしがち。

      つまり、目の前の雑事を片付けてしまいたいというせっかちな部分が影響して、長考を避け勝ちとはいえるんですよね。。

      そのことが嫌いでそうしているんじゃない、というところが、設問の趣旨とは異なると思います。

      が、設問の文言だけを見たら、該当するので、4割弱くらいのHSS型HSPはここに「○」をつけるかもしれません。

 

⑤長時間座っていなければならないときに、手足をそわそわと動かしたり、もぞもぞしたりすることがよくある 

    →うーん。HSS型HSPの特性ではないので、これは「×」。

     ただし、「自省的」なHSS型HSPならば「じっとしていられないことはある」という非常に自罰的な考えによって「○」をつけてしまうかもしれませんね。

 

⑥まるで何かに駆り立てられるかのように過度に活動的になったり、何かせずにいられなくなることがよくある

    →「○」をつけますよね、きっと。

     まさに、HSS型HSPは、「新奇を好む」ためです。

     新しかったり、珍しかったり、これまでに経験したことがないことやものに出会ったとき、

     まるでなにかに駆り立てられるように(この、なにか=HSS特性ですが)、せずにはいられなくなりますからねぇ。。。

   

⑦つまらない、あるいは難しい仕事をする際に、不注意な間違いをすることがよくある
→こういう聞き方をされると、内省的、自省的なHSS型HSPは「○」をしてしまうかもしれません。

   「自分は不注意な間違いをするしな、、」という自分に対する評価が控えめであるが故に。

 

⑧直接話しかけられているにもかかわらず、話に注意を払うことが困難なことがよくある 

   →これも、「没頭」が理由であるかもしれませんね。でも「×」かなー。

 

⑨家や職場に物を置き忘れたり、物をどこに置いたかわからなくなって探すのに苦労したことがよくある
→これも、内省的、自省的が理由で「○」をつけるかもしれません。

    実際、気まぐれにものを置いたりしますし、

    家事や仕事を、やりかけのものを同時進行で進めるため、カバンの中で物が迷子になることも、ありますよね。

 

⑩外からの刺激や雑音で気が散ってしまうことがよくある

   →過度に集中する ということは、気が散りやすいということでもあります。

    たとえば、何かに集中している時に、テレビの音や、家族が話しかけてくることを煩わしく思いますよね。

    また、本を読んでいて、そこに書いてある言葉から別のイメージを連想してしまい、

    脳内が新たなイメージにもっていかれてしまうなどということを体験されているHSS型HSPの方からのご連絡をよくいただきます。

    このことを「気が散る」というので、おそらくこの設問には「○」がつくのではないでしょうか。

 

ということで、HSS型HSPがADHDチェックをしたとき、10点中半分以上をつけていることもあると思われます。

 

HSS型HSPと重なる部分が多いということにお気づきになられるかと思います。

重なる部分があるので、、、揺れるのではないでしょうか。

ADHDなのか・・そうなのか・・・・? でも・・・

でも、「近い」けど「違う」。

だけど、ドンピシャな部分もある。。。

 

HSPを発見したアーロン博士は、ひといちばい敏感な子の中で、HSC(C=child)とADHDの類似性について、次のように述べています。

表面上はこの2つはとてもよく似ていて、多くのHSCがADHDと誤診されていると言う専門家もいます。

私はHSCがADHDだということは、ありえると思います。

でも、この2つは同じではありませんし、ある意味で正反対ともいえます。(p64)

 

そう、HSS型HSPとADHDが類似しているといいつつ、正反対であると。

発達障害と、HSS型HSPは、やはり違う、のです。

HSP(HSC)がADHDの特性を持っている、ということはあり得るが、同じではない。

ADHDとHSS型HSPに共通である

うっかり者である

というところをとってみて違いを考えていくと、

 

まず、

HSS型HSPのうっかりは、再現性が低いです。

うっかりすることはあるのですが、それを再びやってしまうかというと違うのです。

また同じことをやるまいと心に強く刻もうとするからです。

何度も自分を責めえぐるように脳内に刻み付けることもあり、下手すると強迫的にさえ見える。

気にしすぎて、トラウマになってしまうこともふつうです。

 

新学期、クラス替えのあったわが子の話をすると

彼もうっかり、提出物を出し忘れ、宿題に取り組み忘れ、ということが続きました。

HSCの彼は新しいクラスメイト、新しい先生にどう自分を表現していけば良いかわからなくて緊張していたのです。

どうしようもないくらい。そしてそれを、外にわからないように必死に平気を装ってそれに精一杯で、

そのキャパオーバーからうっかりを引き起こしていたのでした。

原因がわかってしまえば、仕切り直すことができます。そういうことがあるんだとわかった後は、繰り返さないのです。

ADHDの「うっかり」はかなり風向きが違います。

同じミスを繰り返してしまい、「ここ、前にも注意したよね?」といった注意を受けることが重なり、日常に支障が出てくるのがADHD。

支障が出て、「他の人と比べてミスが多く、どこかおかしい点がある」と自覚なさって、病院を訪れるかたが多いといいます。

ASDのチェックリストを思い出しても半分くらいは重なるのですが、ASDとHSS型HSPの最大の違いは、

「他の人がどう感じているか(どう思っているか)」を見抜くことができるかどうか、にあらわれています。

HSS型HSPはそれが気になって気になって情報を収集していきます。

(上記のHSCのわが子のキャパオーバーも、他者へのアンテナが立ちすぎて起こっている部分もあります。)

しかし、ASDの特性としては、「他の人がどう感じているか(どう思っているか)」を見抜くことが非常に苦手であると言われています。 

やはり、重なる部分はあれど、違うのだとわかります。

それは他者目線になるかどうかということです。

どんなタイミングで他者目線になるのか、ということです。

HSS型HSPと発達障害は、他者への意識の向け方が大きく違うのです。

違いますが、カテゴリーわけに意味があるわけではなく、どのカテゴリーに入るかわかることで、

どんなサポートが必要なのか、

どんなふうに自分を育てていけばよいのか、

どんな心の持ち方をしていればいいのか、

どんな専門家に会えばいいのか、

それがわかるのでやはり、違うことを知るのは大事なことなのです。

 

 

下記は「女性のADHD」というチェックリストですが、やはり当てはまるところと、違うと思うところがあるのではないでしょうか。

1。不注意、聞き間違いや書き間違い、忘れ物、うっかりミスが多い。ケアレスミスが非常に多く、おっちょこちょい、そそっかしい

2。元気いっぱいでエネルギッシュ、移り気、趣味がとても多く、次から次に新しいことを始める

3。運動が苦手でどんくさい人も 

4。段取り良く計画的に作業するのが苦手。家事やテスト勉強、女の子らしいと言われる繊細な作業などが得意でない

5。ワーキングメモリの不調。聞いたことをすぐ忘れる。次の作業に取りかかるとさっきまでやっていたことを忘れる

6。限局性学習症(SLD)。ADHDの3割から5割は、脳の使い方が独特なために学校の勉強が苦手な学習障がいを持っている

7。自尊心(セルフエスティーム)をなくしやすい。ADHDのせいで失敗しているのに、そのことを知らず、自分の能力が足りないせいだと自分を責めてしまい、うつになる人もいる

8。注意の切り替え能力の問題。興味のないことには集中できない。好きなことには集中しすぎてやめられない

9。概日リズム睡眠障害。夜眠るモードに切り替えられず、夜更かしして睡眠不足になる

10。思考の多動性。男性のように言動には多動性が現れない場合でも、頭の中ではひっきりなしにやりたいことが湧いてきて収拾がつかない

11。時間管理が苦手。ひとつのことが終わらないうちに別のことを思いついて始めてしまい、時間をいとも簡単に超過して、予定がずれ込む。
いくらでもやりたいことを思いつく一方で、それらの優先順位をつけることは苦手なので、予定がいっぱいで時間が足りなくなる。

12。相手の気持ちはわかっているのについうっかり配慮ができず、人間関係に失敗しやすい。

      悪気はないのに、特に同性の友達から、失礼な人、仕切りたがり屋、話の長い人、気配りできない人とみなされて、敬遠されることも。

13。片づけられない。ワーキングメモリが弱いので、テキパキと段取りよく多くのものを整理するのが難しい。物をマニアックに貯めこんだり収集したりするのはASDの可能性も

14。原因不明の体調不良や疲れやすさを抱える。疲労をうまくコントロールできず、原因不明の疲労感が続く慢性疲労症候群になることも

15。親との愛着関係がこじれると、リストカットなどを伴う境界性パーソナリティ障害(BPD)になりやすい

16。新しいことには進んで挑戦する

17。時間を忘れて好きなことに没頭できる

18。たくさんアイデアを思いつく

19。興味が広く感受性豊か

重なる部分もあるけれど、けれども、やはり、違うのです

 

HSP/HSS LABO代表 時田ひさ子

日本で初めてHSS型HSPに特化した心理カウンセラー。
一般的なカウンセリングや心理療法では理解されづらいHSS型HSPの複雑な性格を紐解き、のべ5,000人にカウンセリングを実施している。 自身もHSS型HSPであり、3児の母。

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