HSS/HSPコラム
上記の本『The Strong, Sensitive Boy / Ted Zeff,PH.D.』を読み進めています。
HSS型HSPの親がHSP男子を育てるのは
なかなかの難事業だ、、と思っております。
そこで、このHSP男子を育てることについて
同じように悩みながら毎日挑んでいるみなさまと共有したいと思い、
シリーズでお届けしています。
翻訳家ではないので、必要な箇所のみピックアップしてわかる範囲で日本語にしていますことをご了承の上お読みください。
(25)第7章「繊細な少年たちの自己肯定感を上げる」
ボディイメージと少年たち
男性のボディイメージについて注目されることが、この35年くらいでぐっと増えました。メディアの影響だろうと思う。
男性の摂食障害は1970年代にはほとんど認知されていませんでしたが、今日ではかなり増えています(Pope,Phillips,and Olivardia)。
最近の研究では、ボディイメージの低さと自己肯定の低さに相関があることが、女性よりも男性の間で切実であると報告されています(2002年)。
調査は少年たちの大多数が、ほとんどの男性はステロイドでのみ達成することができる肉体の理想像を選択することを示しています(Pope,Phillips,and Olivardia,2002)。
Dan Mooreによるある研究では、普通の体重の少年のうちの1/3は自分の体重に不満を持っており、そのうちの2/3は自分は体重が軽すぎると認識しているという報告があります。
女子が自分の体重に感じている不満よりも、男子の方が自らの体重に不満を感じているという報告もあるくらいです。
1993年には早くも、New England Journal of Medicineが、高校生の男子の6%はもっと男らしくなるために、ステロイドを摂取しており、以前よりも増え続けているという記事を書いています(Pope,Phillips,and Olivardia,2002)。
「どのように見えるべきか」についての誤ったイメージのために、自尊心を醸成できずにいる少年たちが多いということです。男性が、メディアの中のスーパーヒーローの漠然としたイメージ通りの自分を目指したとしたら、自らに自信を持つことはとても難しくなってしまいます。女性たちと同様に、少年たちの、自らの肉体に対するイメージは高度にゆがめられ、他人にどのように見えるかが基準となった極端にわかりづらいものを目指しているのです。
身体醜形障害という心理的障害があります。
他人には元気に見えていても、自らの身体的な欠陥を認識することで、気分に大きな変化を及ぼし、苦しむ病気です。近年、身体醜形障害の中でも独占的に男性に発生しているのが、筋肉異形症というものです。この変異体は、男性性にこだわった結果、自分がその理想像にはならないと気付いたときの恥ずかしさまでをも含んだ障害です。
筋肉質の体が力、活力、そして男らしさを象徴するという文化的概念に直面して、感情的な苦痛を生じさせるのです(Pope,Phillips,and Olivardia,2002)。
少年が自分の体に不安を感じれば感じるほど、自尊心は落ちるのだと多くの研究が示しています。事実、身体イメージは、自尊心の最大で、単一の予測因子であることが示されています(Pope,Phillips,and Olivardia,2002)。
体形のことで友達にからかわれてしまう少年は、身体異形障害あるいは、筋肉異形障害になりうる高いリスクにさらされています。さらに、繊細な少年(HSB)は特にこの障害を警戒しなければなりません。前にも述べましたが、非HSPたちよりもからかわれることに深く反応するからです。
翻訳後記
女子だけじゃないんだ!
というか、むしろ女子以上なんだ!!
と驚きました。
確かに、SNSが広まって、誰でもがメディア発信できる時代なので、自分で自分もキレイに磨けば、チャンスはそこらへんに転がっている時代になりました。
そのことで、美しい、憧れる肉体や外見を持った人たちが、運とは関係ないところで賞賛される機会が増えました。
むしろ、見た目を意識しないことの方が難しい時代なのですね。
私、男子を3人育てているのに、このことにとても鈍感でした。
確かに、息子たちは体形にも、服装にも、髪型にも、眉毛の形にもこだわります。
単純に「最近の子はおしゃれだなー」と思っていましたが、この章によって見る目が変わりました。
自己肯定感や自尊心につながる因子として、見た目がこんなにも有力だったなんて。
男は見た目にこだわるもんじゃない、というのは完全に過去の価値観ですね。
次回は、「HSBの身体イメージについてのメディアの影響」(P102~)です。
では!
日本で初めてHSS型HSPに特化した心理カウンセラー。
一般的なカウンセリングや心理療法では理解されづらいHSS型HSPの複雑な性格を紐解き、のべ5,000人にカウンセリングを実施している。自身もHSS型HSPであり、3児の母。
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