HSS/HSPコラム
上記の本『The Strong, Sensitive Boy / Ted Zeff,PH.D.』を読み進めています。
HSS型HSPの親がHSP男子を育てるのは
なかなかの難事業だ、、と思っております。
そこで、このHSP男子を育てることについて
同じように悩みながら毎日挑んでいるみなさまと共有したいと思い、
シリーズでお届けしています。
翻訳家ではないので、必要な箇所のみピックアップしてわかる範囲で日本語にしていますことをご了承の上お読みください。
HSC男子について知っておくべきこと(11)第二章
「繊細な少年と母親」
「繊細な少年としてキツイ成長期を過ごしてきましたが、自分はいつも、母親を頼れました。母のゆるぎないサポートと愛が、人生の難しい時期をなんとかすることができたと思います。」
「私は、母が歯医者を怖がっていた私を笑ったことを記憶しています。私は、何かを怖がっているとき、母のサポートが必要でした。もし母が私をけなすことで私がどのくらい傷つくかわかってくれていたら、私の恐怖をからかったりしなかったと思います。」
この章では、母親が繊細な男の子を育てることが、どれくらいチャレンジングなことで、どれくらい喜ばしいことなのか、についてお話していきたいと思っています。それと、子供のサポートをしないことが、子供にとても悪い影響があることを指摘したいと思っています。
繊細な男の子をしつけるためのいくつかの提案をする予定でいます。そのための最も効果的な方法をお伝えする予定です。
◇安定した愛着◇
母親と息子の間にあるポジティブで安全な愛着の絆は、どのファミリーにおいても重要なものですが、繊細な男の子にとってはとりわけ大切です。
母親が子どものしてほしいことに、確実にきめ細やかに対応すると、子供は強く確かなつながりを母親との間に築きます。(これを安定型の愛着と言います)
この安定性の感覚は他の人との間につくる人間関係において、信頼と愛の柔軟性の基礎を強めることにつながります(1999,Kindlon and Thompsonの研究)。
言い換えると、信頼と愛の関係性を母親との間で早期に体験することが、他人と人間関係を結ぶ時に信頼と愛でつながれる人になるのです。
ところが、私たちはたいがい、繊細であってもなくても、この強い絆を早い段階で体験できていません。子供も大人も約45%は不安定な愛着スタイルなのです。これは、母親の継続的で子供の欲求にきめ細やかに対応する愛情のある世話の欠如によるものです(1973,Bowlby)。
不安定な愛着が繊細な人たちの中で普通とはいえ、愛着の不安定さは、非HSPによりもHSPに影響が大きいのです。(2002,Aeron)
不安定な愛着を持つ繊細な男性はたびたび、新しい出来事があると怖れと圧倒される感じを抱きます。繊細な男子は特に安心と守られている感覚を感じる必要があり、幼少期の安定した愛着は繊細な男子が安定し自信に満ちた大人に成長するためのとても大切な要因なのです。
安定した愛着を子どもとの間に作りたいと思われたら、アーロン博士の書いた「The Highly Sensitive Child」を読まれると良いですよ。
さて、もしあなたが、ご自身の繊細な息子さんに対する愛着が幼少期に形成できていないんじゃないかと懸念されているとしたら、今からでも遅くはないです。この章でこの後、息子さんとの絆を強化することのできる効果的なテクニックをお伝えする予定です。
翻訳後記
どんなテクニックなんでしょう。楽しみですね!
私には三人の男の子がいます。長男は今はもう社会人ですが、幼少期、まったくもって安定的な愛着形成するような子育てはできていませんでした。
無知なばかりに本当に申し訳ないことをしてしまった、と布団の中で後悔。その場面を思い出して、ジタバタしながら涙することがいまだにあります。
愛着が形成できていないと何が起こるか、この三人の男子の子育てを通して、まざまざと見せつけられることになりました。
まず、不安定な愛着のまま育つと、子供は親の言うことを信用できないんです。
なので、親がよかれと思って言う事はすべて無言でスルーされることになります。
無言でスルーされると、親は「あなたのために言ってるのに」と、気持ちを踏みにじられたような気持ちになります。傷つきます。
ところが、「私はあなたの言動で傷ついた」ということができない。
なので、今度は子供を最初から疑ってかかるようになります。
「どうせあなたはいつもそうやって遊んでばかりいて」のようにです。
してもいないときでさえ、子供の行動を決めつけてしまったりします。
これ、冷静に考えると、自分が傷つきたくないための防衛反応なのです。最初にけん制してしまえば、後から子供が不適切な行動を起こしても、「ほらやっぱり」と我が身を守れるからです。
こうなると、子どもと一緒になにかを乗り越えようなどということはできなくなります。
子供との距離はどんどん遠くなります。
そうなると、子供の様子がわからなくなり、子供のことをどう理解したらよいのか判断材料が少なくなっていきます。
それで、さらにうがった見方をするようになり、息子は息子でヘソを曲げ、親を無視するようになります。
そう、悪循環を生み続けるのです。
この悪循環は、小学4年生の冬頃からはっきり見えてきます。それまでは、いうてもまだ子供なので、そこまで強く親に反発しません。親が強く言っても関係性はなんとかリカバリーできるのです。子供が幼いが故に助かるんです。
不安定な愛着の場合、ここからがキツイ(笑)。
「反抗期」が始まった、という言い方もできますが、不安定な愛着の場合は反抗期は強く、長く続きます。これが、安定的な愛着が築けている場合だと、反抗期がきてもあまりひどい関係にはなりません。
愛着の基礎の上でホルモンバランスが崩れるだけなので、基本的な関係性はそこまでくずれないんです。
なので、愛着が形成されている子供の場合は、大人が介入したほうがうまくいくことは手伝わせてもらう事ができます。
たとえば受験を手伝ったりすることもできますし、困ったときには親に助けを求めてきたりもします。
親からの小言やアドバイスを片耳で聞いていて、知らないうちに自分で親の助言通りのことをやっていたりする素直な面が見受けられるのです。
我が家の例を挙げましたが、愛着の安定性のあるなしで、10歳以降の関係性が大きく変わってきます。ひいては、その子の人生も変わってくると思えますので、子供への必要に応じたサポート(甘やかしではなく)が重要、というこの章は、身につまされながら読んでおります。
次回は、「世界では繊細な男性はどう扱われているか?」(P23~)についてお伝えしようと思います。
では!
日本で初めてHSS型HSPに特化した心理カウンセラー。
一般的なカウンセリングや心理療法では理解されづらいHSS型HSPの複雑な性格を紐解き、のべ5,000人にカウンセリングを実施している。自身もHSS型HSPであり、3児の母。
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